中間テストの後の自立学習のふりかえりを読んでいる中で気づいたことは、僕がやっていることは、自立学習という名の計画をたてる一斉授業のような感じがしたということだ。
どういうことかというと、黒板をあまり書かない。説明をあまりしない、という一斉授業だということだ。(うまく言えないけれども)
子どもたちからの要望が多いことの1つが、「先生の黒板を写したい」ということだった。ある生徒が言っていたが、
「家でノートをみながら勉強するので、今のスタイルは、僕にとってやりにくくてしょうがない。自分でノートを作ろうとすると、プリントをただまとめるだけになってしまったり、教科書を写すだけになってしまう。先生の黒板は、流れがわかりやすかったり、ポイントがわかりやすいので、写して復習するだけでも、勉強になる」ということだった。
この意見は、ほんとに目からうろこ。黒板を写すこと=受け身な悪い学習方法というステレオタイプな認識で自分はいたのだということを実感した。
黒板を写し、それを家でふりかえりながら学ぶと言うことは、決して受け身の学習ではない。主体的な学びをしてもらいたいと考えて実践を開始した個別学習であるのに、子どもから学びの選択肢を奪ってしまっていることに、かなりショックを受けてしまった。
この子と面談をした。
「先生が書いている黒板の写真と、パソコンで打った文字だけの板書案とのどちらかだったら、先生が書いている黒板の写真の方が頭に入る。手書きの方が自分は頭に入るんです」という意見を持っていた。
このような子どもの学び方に寄り添って、こっちが一人ひとりにカスタマイズしていけるような工夫をしていこう。
この子の後日談で、
「先生が、自分の学習について、こんなに真剣に考えてくれるのって、今までの人生で初めての経験だった。先生たちは、こういう勉強方法がいいよ、って全体でアドバイススはしてくれるけれども、個人に話しかけてくれることってない。本当に、嬉しかったです」
と、ノートにメッセージを書いてくれた。嬉しかったなぁ。
一人ひとりに、学びのコントローラーを渡したいと願っているのに、それを奪うようなことを僕は、無意識にしていることもある。本当に気をつけなきゃだ。
他にも、先生の説明をきいて学べる子、先生の具体例を聞いて学べる子、にとっては、今、授業はやりにくい。
だから、そういう子には、ミニレッスンをするような場を設けたい。ミニレッスンを受けたければ、前においでということを言っているにも関わらず、前にきてくれない。でも、近くに行けば、質問をしてくる。
ここには、子どものどのような壁があるのだろうかと思う。ここも聞かなければならないな。何が不安なのか?
まだ、この授業スタイルのチャレンジは続けるつもり。
何よりも、このチャレンジを続けていて、自分が学べている。個別学習を初めてすごく思うのが、こんなに一人ひとりの学びについて真剣に考えたことがなかったなぁということ。それは、個人的には、大きな宝物になった。
あとは、強みのめがねをきちんとかけていかなければならないな。どの子には、どのような強みがあって、どのような学びが合うのだろうか。
どうしても、教師は、自分の学びやすい方法で、授業をしている可能性があるから、そこは自覚しておかなきゃ。自分の無意識に、アクセスするためにも、こういうふりかえりの継続は、本当に大切。